手技療法とは文字通り手を使った治療法のことです。マッサージ(ヨーロッパ由来)やあんま・指圧(東洋由来)が有名ですが、理学療法(医療の一分野)やカイロ(アメリカ発祥)なども含まれます。一般的な医療(薬物・注射・手術など)から見るとちょっと外れた感じのする領域ですが、私がおもに扱う骨・関節・筋肉の故障ではたいへん効果的な治療法になります。今回クリニックは閉まりますが、うちではどんな工夫をして仕事していたのかご紹介します。
マニュアルメディシン · 01日 11月 2019
どんな治療や施術を行ってみても、必ずうまくいくとは限りません。いや、むしろうまくいかないほうが多いのかもしれません。そんな時、自分の視野を広げてみると、あ!こんなことができるんだと気がつくことがあります。
クリニックで仕事をしているスタッフや私も、時間があるときにおたがいを治療することがあります。「便利でうらやましい」と声が聞こえそうですが、それはちがいます。家でくつろいでいる落語家さんに「落語を聞かせろ!」と要求するのと同じで、そこには節度が求められます。ほんとに困ったときにはちゃんとお金を払って治療を受けますし、できるだけ自分で体のケアを行っています。そんな時に役立つのが「自分マッサージ」、今回のお話です。
治療そのものは簡単であると書くと、おどろく方もいるかもしれません。しかし、診断がしつかりしていれば、治療法はそこから導き出されてきます。ある脊椎分節の運動制限があり、症状が生じる原因だと考えられ、器質的病変は存在せず、安静を必要とする急性期ではないと判断できるならば、いかにして運動制限を改善するかを考えればよいのです。
トラベル&シモンズのトリガーポイント・マニュアルはあまりにも有名ですばらしい本ですが、やや古くなってきたこと、大部であり読み通すのは結構ホネだということがちょっと困った点です。...
それでは、触診による診断方法はどのようなものでしょうか。これを詳しく述べようとすれば、それだけで1冊の本になってしまいますので、基本的な考えかたをお示ししようと思います。
マニュアルメディシンにおける診察手順は、基本的に通常の診断学と同じです。しかし、マニュアルメディシンならではの診断技術や観察方法がありますのでその一端を述べたいと思います。
マニュアルメデシンは現代医学の一分野ですから、おおもとの診断システムの考え方は同一です。現在の物理学・化学で説明できないような概念(たとえば「気」)を持ち出す必要はありません。
マニュアルメデシンとは、決してある地域の、特定のプロフェッションに限定した治療体系のことではなくて、昔から世界各地でそれぞれに発展してきた「手を使って行なう」治療方法をもう一度現代的に見直して、その中から科学的な評価に耐えうる部分を再構築したものと考えてよいと思います。
手技療法の世界ではお医者さんが実際に手技を行うというのは、めずらしいようで、知り合いの医師にも手技療法を取り人れている者はいません。しかし、私は手技療法、すなわちマニュアルメディシンを学んで、毎日の診療に取り入れていることを本当に良かったと思っています。はじめに、マニュアルメデシンを行なうようになったきっかけを書きましょう。