· 

自分でするこりとり・痛みとり

 

 

 松ぼっくり通信「受験生に肩こり対策」を一部修正したものです。新コロナウイルスによる外出制限・在宅勤務のためか、くびこり・肩こり・腰痛の相談が多いようです。家でもできる!対策をお教えします。

 

1 どうして肩がこるのか?

 

 体じゅうの筋肉には血管がつながっていて、血液から栄養と酸素をもらったり、老廃物を洗い流してもらっています。筋肉に力が入っているときは血液の流れが止まりますが、力を抜くと筋肉がゆるみ血液が流れます。筋肉が疲れをためずに元気でいるためには、筋肉に力が入ったり抜けたりすればいいのです。だから歩いたり走ったりのようにリズミカルに体を動かす運動はなかなか疲れにくく、筋肉のこりもおきづらいと言えます。

 

 ところが、じっとしているときはこういった筋肉の動きがなくなるので、力の入った筋肉にはどんどん老廃物がたまり、栄養や酸素が足りなくなります。みなさんが机の前にすわって仕事をしているときが、ちょうどそんな感じになっています。

 

 もうひとつ姿勢の問題もあります。頭からおしりまでの背骨を真横から眺めると全体がS字状にたわんでいて、頭の重みをクッションのように受け止めるようにできています。あたまが体の真上に来るように座ることができれば、くび、背中、腰の筋肉に負担をかけずに背骨だけで頭の重みを受け止めることができるのです。机の上で作業しているとき、どうしても前かがみになり、頭の位置が体より前方に来てしまうと、骨だけで頭の重みを支えきれず、くびや背中の筋肉に過度な力が入り続けるため張ってきます。つまり姿勢が崩れることでより「こり」を感じやすくなるのです。

 

2 とりあえず、こりを感じたら

 

 作業に集中していると、何時間も同じ姿勢を続けるために、くびや背中がこったり痛くなります。頭が痛くなることもあり、ほとんどはくびの筋肉のこりが原因になっています。こんなときのためにテニスボールを二つ用意しておきます。二つとも靴下の中に入れて入り口を縛ります(図①)。あおむけに寝て、コリが強くて押すと痛いところにテニスボールを当てたまま力を抜き、数分待つと痛みが軽くなってきます。少しづつ場所をずらし、痛むところをどんどんと治していきます。くびの場合は図②のように頭と首の境い目あたり、背中では図③のようにせぼねの両脇にボールが当たるようにすると効果的です。

      

図①

図②

図③

 くびや肩がこる場合、せなか側だけでなく、くびの前よこ、胸や肩回りの筋肉もこっていることがあるので、とりあえず押すと痛みがある場所をみつけたら、マッサージをするとよいでしょう。自分でやるマッサージは気持ちいいかちょっと痛いくらいでやってください。ただし、血管の拍動を触れるところやびりっと響くところはさけましょう。

 

 自分でマッサージをしてみると(こんなのでいいの?)と感じるかもしれませんが、いつでもどこでもできるのが自己マッサージの強みです。勉強の合間にまめにマッサージするだけでもけっこう楽になってくるはずです。

 

3 こらないカラダになる

 

 姿勢はたしかに大事なものの、どんなに良い姿勢でいても長く座り続ければ体のあちこちがこってくるのはさけられません。小さな子供たちはじっとしているのが苦手ですが、おとなだってからだをこまめに動かしたほうが楽です。歩きながらできること~たとえば音声通話や書類の確認など~をとり入れたり、ラップトップならクッションにもたれかかって寝転がってやるなど、からだを動かしながらできる方法を見つけるとよいでしょう。

 

 こらないカラダになるためにだいじなのは睡眠です。徹夜の効果がほとんどないことは証明されていますから、いくら時間が押していても睡眠時間をできるだけ確保しましょう。ぐっすりと寝ているとき、こり固まった体中の筋肉がほぐれます。だから睡眠を削ると、こりにもよくありません。

 

 また細かい(たいくつな)ことをたくさん作業したり、発想を生かす作業をするためには、一気に長い時間集中してやるよりも、間をおいてリフレッシュしながら行ったほうがはかどるはずです。頭が疲れたときは、軽い体操をしたり、ちょっとだけ散歩をしましょう。からだもアタマもリフレッシュするはずです。

 

4 つかれてきたら

 

 オン・オフをはっきり切り替えることです。今の状況ではまだまだ緊急事態制限は続きそうです。体力の回復のため、甘いものをとり、お風呂に入って体を温めましょう。スマホやパソコンは眠る時間の2・3時間前から使わないほうがぐっすり眠れます。眠る前にマンガや本で頭をほぐすのもいいでしょう。

 

前のページ  次のページ