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デイビーズ氏の新しい人生(1)

 

 私が整形外科医でありながら手技療法にのめりこむきっかけになったのが、「トラベル・シモンズ・トリガーポイントマニュアル」との出会いです。1983年に出版されて以来、この2冊にわたる大部の著書は、いわばトリガーポイントの聖書として扱われてきました。

 

 ケネディ大統領の主治医であったトラベルさんは、自らの肩の故障を治す過程でトリガーポイントという概念を生み出し、生涯をかけてその診断・治療法を編み出していきました。そして共著者のシモンズ博士とともにその成果をまとめて出版しました。

 

 医師でもトリガーポイントという言葉は知っているものの、ほんとうに深く知っている人はめったにいないはずです。私もまだまだなのですが、30年以上の診療経験から、トリガーポイントの概念がほんとうに役立つものであることを実感しています。

 

 さて、表題のデイビーズ氏は、アメリカのマッサージ師で、「トリガーポイント・セラピー・ワークブック」という本の著者です。日本では全く無名の方ですが、この本はすごいです。なにがすごいかというと、ごく一般の人たちでもトリガーポイントを見つけて自分で治すことができる方法を編み出したのです。デイビスさんご自身は発見を誇張するでもなく、トラベルさんらの成果をちょっと工夫しただけだと言っていたようです。

 

 さて、その世界では著名なピアノ調律師であったデイビーズさんは、どうして畑違いと言えるマッサージ・手技療法の世界に飛び込み、専門書を書き、全米を講演して歩くようになったのでしょうか。

 

 彼の娘さんの一人は、いまお父さんの遺志を継いで治療院を経営していますが、そのホームページからデイビーズさんの「私の履歴書」を見つけました。その中身を抜粋してこれからご紹介していきます。(続く)

クレア・デイビーズ氏