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コロナで激変!どう暮らすか

 

 

 先日、ある学会でこれからのコロナ対策について講演を聞きました。コロナはこれからもまだまだ続くだろう、すっきりとおしまいにはならず、だんだんと風邪の一つになっていき、ワクチンは年一回になっていくのではないかというお話でした。わかってはいたものの、ちょっとがっかり、でも元気に暮らす方策が必要です。今回のお話です。

 

1 世の中のしくみが一変した

 

 緊急事態宣言前の2020年2月、青梅マラソンに参加したとき、電車は超満員、だれもマスクは付けておらず、フツーに走ってフツーに帰ることができました。それからの出来事は皆さんもご存じのとおりです。もちろんランニング大会などのイベントは一切行われず、みんなが息をひそめて家でじっとしている状態が続きました。人々の行動形態がいっきに変わり、仕事、学校、家庭生活にものすごい影響が出ました。

 

 その後、様々な制限が少しづつ緩和されてきましたが、コロナ前の生活に戻れることはないでしょう。わたしもマスクが苦手ですが、おそらく仕事の時はマスクをずっと付けることになるのでは?と予想しています。マラソンなどのイベントがやっと開かれるようになりましたが、感染対策のため運営がずいぶん変わりました。これも今後変わらないはずです。皆さんが感じている毎日の変化は、これからもずっと続き、日常の一部になっていく可能性が高いといえます。

 

2 ワクチンの意義

 

 これまでにコロナワクチンを4回受け、近日中に5回目も接種予定ですが、正直うっとうしいです。まわりの医療関係者もよろこんで打っている人はまずいないです。仕事柄もあって、流行予防(軽減?)にワクチンが有効という情報を聞いているから、(まあしょうがないか)と考えている人が大半です。

 

 新型コロナは変異性が強いため、新しい変異株が出ると急いでワクチンを作ります。RNAワクチンは比較的早く作ることができますが、理屈上先回りができないので、どうしても追いかけっこになるのが残念です。でも集団感染のスピードを抑えて死亡率を減少させることができますから、ワクチン接種を推進するのは意味があります。

 

 一言でいうと、ワクチン接種は「世のため、人のため」になります。ただし、ワクチン接種がむずかしい方(副反応が強い人など)もいますから、心配な方は医師と相談して受けるかどうか決めてください。

 

3 若い人はどうする?

 

 ある意味、コロナの影響を最も受けたのは若い人たちです。学校、友人関係、就活、キャリア形成など、一生でもっとも大事な時期に大きな波をかぶりました。たぶん100年で一回あるかという大きな転回点だと思います。先輩たちの経験や積み重ねられたデータが通用しなくなり、手探りで人生設計を考えざるを得なくなりました。

 

 中世のペスト流行ではヨーロッパの人口の3分の2が亡くなり、社会のしくみが根底からゆすぶられました。極端な人手不足から農奴制が崩壊し、農業以外の産業が発達し、宗教にとらわれた価値観からはなれ自由にものを考える習慣が広まっていきました。当時の人たちも苦しい毎日を送っていたはずですが、長い目で見るとチャンスが広がる世の中に変わったともいえます。コロナ流行も同様だと私は考えています。

 

 若い人たちへのアドバイスはシンプルです。日光を浴び体を動かして体力を養いましょう。あなたたちの時代はもうそこまで来ています。そしてワクチン接種を受けてみようかな?と考える人が増えてほしいと願っています。

 

4 年寄りは?

 

 超高齢化社会にコロナ流行がかぶって、国の社会保障費が激増しています。年金受給年齢の繰り上げなど、ありがたくない話題も増えてきました。ここでは、自分たちができることに目を向けてみましょう。

 

・必要以上に恐れない・・・動ける人は家にこもりきりを避けてください。街中でも人混みでなければマスクを外して歩くことができますが、お店、病院そのほかエチケット上マスクをつけた方がいい場所では付けましょう。コロナに感染した場合、もとからある病気(慢性疾患)が悪化して亡くなる人が増えています。運動不足は多くの慢性疾患の悪化を招きます。散歩をするならはじめから何歩までと決めず、疲れるまで歩きましょう。いつも同じところを歩かず、スピードに緩急をつけたり、坂や階段にもチャレンジしてください。バス・電車賃を持って物見遊山に出かけるのも手です。

 

・スマホ・パソコンをやろう・・・やると意外なくらいおもしろいし、意外なくらい簡単です。遠方の孫との会話も楽しめます。より年をとって足腰が弱ったとしても、遠くの家族・親戚や友人と歓談できます。自分の世界が広がりますよ。

 

・働くのもあり・・・長く患者さんを診ていて、ご高齢で働いている方はやっぱり違います。働くことのメリットは収入プラス人付き合い・頭の体操・運動不足の解消で大きいです。ボランティアだってすごくいいと思います。