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リハビリテーション医学会

 静岡で行われたリハビリテーション医学会に出席してきました。

 

 プログラム表紙に「one for all,all for one」と書かれています。PTやナースさんら多職種の連携がなければリハビリは成り立たないから、みんなで話し合って一つの目標に立ち向かおうというリハビリの考え方を、ラグビーの標語と重ねたわけです。

 

 こういう柔らかな考え方ができるのがリハビリ科の特徴で、私はとてもいいことだと思っています。

 さて演題の中で歩行分析の話が出てきました。地味な話題ですが、今はやりのハイテクを使った計測ではなく、目で見て問題点を探る方法をお話ししてくれたので、面白く聞かせていただきました。

 

 そのなかで、いかにエネルギーのロスをおこさずに歩くかという項目で、6つのポイントが挙げられていました。

  1. 骨盤の回旋
  2. 骨盤の傾斜(左右)
  3. ひざの屈曲
  4. 足部のロッカー機能
  5. ひざと足の協調運動
  6. 骨盤の左右移動の減少

 動物実験から脊髄に歩行パターンをつかさどる神経機構があることがわかっています。つまり、脳で意識しなくても人間は歩けるということですが、これは今の自動車と比べるとわかりやすいでしょう。運転する人はハンドルとアクセル・ブレーキの操作に集中するだけですが、実際にはエンジンの出力やサスペンションの調整など複雑なコントロールをしているのが現在の車です。同じようにふだん無意識にやっている歩行という動作にもこれだけの要素があってなめらかに動けているのですね。

 

 これって、私が考えるてくてく歩きの基本です。楽に歩くことを考えたのがてくてく歩きですから当然です。こまかいことはまた改めてお話ししていくつもりです。

 

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